TLDR : Sony Semiconductor Solutionsは、先進運転支援システムに向けて高性能な積層SPADセンサーを導入し、LiDAR技術を強化します。
目次
Sony Semiconductor Solutions Corporation (SSS)は、自動車LiDARシステムの精度と速度を向上させるために設計された積層SPAD深度センサーIMX479の発売を予定しています。このセンサーは、ダイレクトTime of Flight (dToF)方式を使用し、ADAS(先進運転支援システム)やAD(自動運転)技術に欠かせない前例のない性能を提供します。
差別化された技術的なポジショニング
IMX479センサーは、積層SPAD(Single-Photon Avalanche Diode)アーキテクチャに基づいており、バックライト付きdToFピクセルアレイと組み込まれた測定ロジックを単一のチップに統合し、銅-銅(Cu-Cu)接続を使用しています。基本的な検出ユニットは、3×3ピクセルブロックで構成され、線形スキャンに最適化されています。この構成により、520ピクセルのdToF解像度で20フレーム/秒という記録的な速度を達成しながら、ピクセルサイズを10µmに抑えることができます。これにより、自動車LiDARシステムでは珍しい処理速度と解像度の細かさを両立させています。
長距離でも正確な検出
発表された特徴の中で特に注目されるのは、垂直角度解像度が0.05度(前世代比で2.7倍の向上)であり、路上のタイヤのような高さ25cmの物体を250m、さらには940nmで37%のフォトン検出効率により300mまで検出できる能力です。この性能レベルは、ADASシステムや組み込みの認識アルゴリズムに新たな可能性を開き、極端な照明条件でも道路環境の3Dモデリングを改善します。

採用を促進するために、SSSはセンサーを搭載した機械式スキャニングLiDARを開発し、自動車メーカーやパートナーが統合前にその効果を評価できるようにしています。
技術仕様

強化された垂直統合戦略
Sonyは、CMOSセンサーにおける長年の専門知識を活用しつつ、垂直統合戦略を推進しています。Cu-Cuインターコネクションや積層アーキテクチャなどの先進的なパッケージング技術を採用することで、フォトニクスからシステムアーキテクチャまでの技術チェーンを完全にコントロールする意図があります。このアプローチにより、性能を最大化するだけでなく、将来的に占有スペースとコストを削減することが可能です。